2020年を振り返って

2020年は、世界中が誰も予想しえなかった出来事に見舞われました。まず、これにより被害や影響を受けられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。文字通り世界をまたぐ大惨事が到来した年でしたが、同時に新たな指針も見えてきました。ビジネスでもプライベートでも、来る新しい世代に向けてより良い未来を残すべく、一人ひとりが健康に一層気を配るべきだということです。

今年はまもなく終わりを迎えますが、この一年で経験したことを教訓として新たな年に向けた準備を進めていかなければなりません。2020年はテレワークの増加により閑散としたオフィスが目立ち、さらにここ数年は世界経済が後退局面に入ることも明らかです。

今年、人々の日常生活には避けられない影響が出たことは皆さん自身が一番よく感じていらっしゃることでしょう。しかし、幸運にも私たちのビジネスは甚大な被害を受けませんでした。過去数年にわたって、弊社はすべてのインフラサービスを高可用性のクラウド「Kubernetes」に移行してきました。システム連携とサービスデリバリを繰り返し、自社ソリューションのデモサイトをホスティングするための専用クラスターを構築することで全チームの開発サイクルを継続的に改善してきました。チームではアジャイル開発手法を導入し、常時利用可能なオンラインリソースを活用することで、完全なリモート環境にありながらも常にトップスピードで業務にあたることができる体制づくりにも成功しました。金融機関で既に試験段階にあったデジタル変革をこの機会にさらに加速させ、「非接触型」「相互運用可能」および「セキュア」な決済ソリューションの需要に応えることができたのです。

しかし、過去30年にわたり大規模な財政・経済的変化を経験してきた中でも、特に今年は「危機発生時の事業継続」という既知の戦略を改めて見直す機会となりました。信頼できる決済ソリューションプロバイダーとして弊社のパートナー企業の成功をサポートするために、確実な施策を打ち出す必要に迫られたためです。今年私たちに強いられた難題は、リモート環境での業務に適応することではなく、金融機関のお客様に向けて適応可能な成長機会を提供するための「新たな」イノベーションを「迅速に」生み出さなければならないということでした。

この挑戦も、弊社の強固なインフラ基盤と優秀なチームのおかげで、世界各国の40以上の金融機関において、10を超える決済ソリューションの実装、始動およびアップグレードを実現することができました。世界7拠点にまたがる弊社チームの頑張りもあり、多くの実装業務を記録的な短時間で完了させられたことに心から感謝しています。

これまで、国境の隔たりにより私たちの可能性や情熱が制限されたことはありませんでしたが、今年はパートナー企業の皆様と物理的にお会いできなかったこともあり「対面で交流すること」の喜びを再認識させられました。しかし、弊社はSibosやCentral Bank Payments Conferenceなどの主要な業界イベントに引き続き出展し、業界エキスパートの皆様とバーチャルで交流したり、セッションで有益な情報を発信したり、フィードバックを得たりといった機会を楽しみながら続けていきたいと思っています。

CSR活動にも引き続き力を入れていく予定です。2020年にはヨルダン政府と協力し、世界的なパンデミックに対抗するために警察や軍組織への感謝の印として電子承認やQRコードでの非接触決済機能を搭載した1,000台のスマートデバイスを提供。また、初となるコードベースの平和構築プログラムを立ち上げ、援助が必要な人々に向けた年間パッケージを配布したり、よりエコな未来のために廃棄された紙のリサイクルに取り組んだりとさまざまな活動を行ってきました。教育の質向上に関しても、弊社チームで数多くのバーチャルセッションを提供し、ヨルダン大学と提携して開設したThe ProgressSoft Labも生徒や教育者のモチベーション喚起を念頭にプログラムの改善を続けています。さらに、2019年に終了したKing Hussein Cancer Center（フセイン国立がんセンター）拡張プロジェクトへの3年間の寄付計画に引き続き、オンラインで乳がんの認知拡大を図る新たな計画をスタート。Cancer Careプログラムの会員資格も更新しました。

新年に新たな1ページを踏み出すにあたって、この困難な時期においても弊社への信頼を崩さずにいてくださった関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。皆さんの信頼があったからこそ、弊社は困難を切り抜け、金融業界の事業継続と成長を引き続きサポートしていくことができているのだと実感しています。

最後になりましたが、皆さんが健康で希望に満ち溢れた新年を迎えられることを祈っております。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

Michael Wakileh