長編インタビュー:未来をつくる「決済ハブ」構想

長編インタビュー:未来をつくる「決済ハブ」構想

ProgressSoftが提案する次世代決済ハブステーション。その遠大な構想について、 ProgressSoftクウェート法人のカントリーマネージャーのタウフィーク・ハリリ(Tawfiq Khalili)に語ってもらいました。

ソリューションの開発経緯や今後の幅広い業界への展開など、興味深いインタビューの結果をご紹介します。

  1. 決済ハブ開発のきっかけは?

従来の決済方法は、急速なテクノロジーの進化とフィンテックの台頭によりもはや時代遅れとなってしまいました。顧客ニーズを十分に満たしきれていないためです。顧客ニーズが変わり、規制が変わり、新規参入が容易になると競争は激化します。競争軸自体も変化しました。今の時代は、迅速な市場展開と年中無休のサービス体制はもちろん、新たな市場参入者に対抗するための卓抜した価格スキームも維持しなければいけません。そうでなければ、スピーディーな取引が当たり前になった現在の顧客ニーズを満たせないのです。

この流れは、銀行、決済サービスプロバイダー、取引所、移動通信事業者など広い分野におよんでいます。マーケットの新たな課題に対応するために、旧来のインフラストラクチャを再評価し、バックエンドシステム(またはコアシステム)への依存を軽減しなければなりません。だからといって、フロントエンドの顧客インタフェースチャネルに依存すべきだ、と言っているわけではありません。これらのチャネルもまた、顧客ニーズによって急速に変化しているからです。

次世代決済システムへの進化の過程にあるハードルを乗り越えるために、私たちが達した結論が「顧客ニーズに即したソリューションを、コストパフォーマンスに優れた方法で、そして迅速な市場展開をもって提供すること」です。こうして生まれた決済ハブは、以下のようなメリットも備えた画期的なソリューションとなりました。

  1. サービスの常時提供
  2. オンザフライ方式によるアップデート
  3. 費用対効果の高いサービススキーム
  4. サービス・チャネル・ネットワークの高い拡張性
  1. ソリューションのしくみについて教えてください。

決済ハブは、支払元と宛先を結ぶネットワークを無限に拡大し、統合するためのハブステーションです。金融機関が取引にあたって要求するルールと認証の基準は、プラットフォーム全体、またはチャネルソースや取引ごとに選択可能です。また、そのカバー範囲は広大です。各国のローカル決済ネットワーク、ウォレット、決済サービスプロバイダー、SWIFT、SWIFT GPI、RippleNetといったグローバルネットワーク、ピアツーピアのコリドー、ブロックチェーンや分散記帳技術ネットワーク、Western Union等々。あらゆる金融機関がお互いのネットワークに接続するための新たな扉を開きます。

私たちのソリューションは、スマート決済のオーガナイザーとして、アンチマネーロンダリング(AML)、テロ資金対策(CFT)、決済タイプと送金先のスクリーニング(ブラックリストの管理・検証・実施)を行います。また、事前に定義されたルールと接続対象のネットワークディレクトリ、そして対応するサービスレベルアグリーメント(SLA)に従って、決済業務をスマートコントラクトによってルーチン化します。その際は、各金融機関が定義する、コスト、時間、当方勘定(ノストロ・アカウント)、流動性などその他の多くの要素を考慮します。最終的には、最適な送金ネットワーク、仲介銀行、理想的な支払いパスが自動的に選択され、たった数秒で取引が完結するのです。

それだけではありません。私たちのソリューションでは、コルレスバンクのリストとテーブルを、完全な決済指示、SLA、カットオフ、GPIレート等の情報を含んだコレスポンデントディレクトリに変換します。これにより、コルレスバンクまたは仲介銀行の地域ゾーン毎に異なるカットオフを採用し、手数料、為替レート、節税スキームが最適化されるよう、銀行間の国際取引が自動化されます。

重複取引を防止するための検出ルールや、異なる取引部門からの異質な支払い要求に対応できるアクセス制御リストの管理、決済の自動照合機能も、ソリューションがすぐれたパフォーマンスを発揮するには不可欠な要素です。

  1. このソリューションによって業界はどのように変化しますか?

決済ハブは、決済業界とフィンテックサービスの両方に関わるプロジェクトです。市場展開にかかる期間を短縮し、コストパフォーマンスにすぐれたソリューションとして、金融業界の旧弊を打破するサービスを展開するための鍵となるでしょう。

私たちのソリューションにより、銀行は従来の決済サービスの境界を越えて、顧客が新たなグローバル市場を開拓するためのサポートを提供することができます。テクノロジーの進化という点で革新的であることはもちろん、金融機関は顧客ニーズをはるかに高い次元で満たすことが可能になります。

さらに、サービス指向アーキテクチャの柔軟かつモジュール化された設計によって、より高速でコストパフォーマンスの高いチャネルの構築が容易になります。このようなサービスの抜本的な改革を検討していない金融機関は、もはや変化する顧客ニーズに対応できないといっても過言ではないでしょう。

世界は数年のうちに、破壊的な決済システムの登場を目の当たりにすることでしょう。新しい決済システムを待望するエンドユーザーや金融機関のすべてにメリットをもたらす私たちのソリューションは、金融業界に爆発的な進化をもたらすための起爆剤なのです。

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