この10年でのスマートフォンの進化は目覚ましく、もはや人間の身体の一部ともいえるほどになくてはならないものになりました。コミュニケーションだけでなく、情報の検索、計算、さらには懐中電灯としての機能まで、私たちの生活に欠かせないツールとなっています。最近では決済ツールとしても活用できるようになっているようですが、果たして本当にそうなのでしょうか?

世界中で20億人以上がすでにモバイル決済を利用しており、更に毎年数百万人規模でオンライン決済を始めている人は増えていますが[1]、モバイル決済技術が秘めている可能性が十分に活用されているとは言えません。「アフリカのモバイルマネー産業の現状」という記事によると、サハラ砂漠以南のアフリカ経済圏において、取引額のうち加盟店への支払はわずか21%に過ぎず、デジタル取引サービスの69%は依然としてキャッシュイン・キャッシュアウト取引に大きく依存しています[2]。

また、個人間取引は、本来モバイルマネーインフラの基幹となるべきもので、最も一般的かつ繰り返し使われる決済手段であるにもかかわらず、嫌煙されています。これは、以下に記載する2つの問題が根本にあるためです。

  1. ウォレットユーザーと業者(企業や小売業者など)の双方にとって、モバイルマネーを決済手段として利用するインセンティブが不足しています。また、決済サービスプロバイダー(PSP)が、顧客のポテンシャルをあげることよりも、顧客リストを増やすことに注力している状況となっています。

  2. 小売業者がモバイルマネー導入を躊躇する主な要因として、複数店舗がある大規模店で複数のウォレットを管理することの煩雑さが挙げられます。そのため、煩雑さを解消できる、さらにはビッグデータを一箇所に集約し、生データから実用的なデータに変換できるツールが求められているのです。

Marchant Portalというプラットフォームでは、小売業者が自社を登録し、すべての店舗(リモートおよび実店舗)でモバイル決済を可能にするため、ウォレットのデータ管理、分類、トラッキングといった全権限を提供し、上に記載した2つの問題を解決します。よって、複数のウォレット管理の煩雑さはなくなり、さらにはカード会社への手数料や現金管理にかかる労力が削減されます。

もちろん、カード払いや現金払いが悪であるというわけではありません。このプラットフォームを使えば、加盟店のPOSシステムと統合し、様々な支払いタイプを取得し、1つのデータベースに統一することができます。これにより、小売業者は各取引の自動処理されたデータをリアルタイムで確認することができ、加盟店の業務をより深く理解することができるのです。

また、Marchant Portalの最も魅力ある特長として、売上の詳細データに基づいた分析や洞察が行えるという点があげられます。季節ごとの傾向、売上推移、リピーターの頻度、平均利用額などに関連したトレンド情報など、小売業者が真の意味で顧客中心のサービスを展開するために必要な重要データを辿ることができます。

小売業者はついに、ビジネスに変革をもたらすあらゆる予測や戦略的意思決定を行うための新たな指標を手に入れたと言えるでしょう。ブランド・ロイヤルティを高め、販売業務の運用を整理し、オファーやセール、商品のプロモーションを顧客ごとにパーソナライズし提供することが可能となったのです。このように、小売業者にはMarchant Portalが必要です。「データこそが全てである」とするならば、このプラットフォームは、様々な企業が長きに渡りロック解除を試みているゲートウェイであるといえるからです。


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