使いやすく安全なソリューションの5つの要素

使いやすく安全なソリューションの5つの要素

これまでの間、信頼できるセキュリティとは、多くの場合ユーザビリティを犠牲にして得られるものであり、その逆もまた同様でした。現在でも、安全なソリューションとは「複雑でわかりにくい」ものであり、使いやすいソリューションとは「容易に使用できる」もので、妥協することなく十分なセキュリティとユーザビリティを同時に提供することは不可能であると考えられています。

しかし、企業やその社員はパフォーマンスを妨げない効率的なソリューションを求めるため、効率的なワークフローと適切な機能を維持できる、使いやすいソリューションが好まれ、その結果、持続不可能でセキュリティの弱いソリューションが長く使用されてきました。

すべてのレベルで不可欠なセキュリティとは

現在、セキュリティ対策はほとんどの企業において一層不可欠なものになっています。GDPRや法改正、ベストパフォーマンスなどのデータ保護要件により、企業の実務と文化に安全性を融合することが確約されています。つまり、セキュリティをデザインすることが推奨されているのです。

また、サイバーリスクの増加と情報保護規則の進化とともに、企業の機密情報の漏洩も多くなり、企業が業務や評判、利益を維持する上で保護しなければならない脆弱性が露呈されています。

特にフィンテックは堅牢な安全対策・技術の実装が必要であり、ユーザビリティを犠牲にしてでも、安全に情報を処理することが要求されます。しかし、顧客がユーザーフレンドリーな体験を求める場合は、どのように対応したらよいのでしょうか。

その答えは簡単です。新たな努力を重ね、組織の目的と市場の需要を同時に満たす使いやすさと安全性を兼ね備えたソリューションを実現することです。

幸いにも、最新のソリューションは、効率的なセキュリティ対策と優れたユーザーエクスペリエンスを提供しています。

最新技術がユーザビリティとセキュリティを両立する方法とは

ユーザビリティは高いけれどセキュリティ対策の低さを示す共通の例として挙げられるのが、特にオンラインバンキングなどの金融関連のウェブサイトで見られる「リメンバーミー」自動機能です。この機能はユーザーにとっては非常に使いやすく、一度ユーザー名とパスワードを入力すると自動で保存され、その後の利用が簡単になりますが、複数の人が同じデバイスを使用した場合、この機能の安全性は非常に問題となります。

現在、システムデザイナーと製品の所有者は、ユーザビリティとセキュリティとの関係性を常に考慮しなければなりません。

最新技術がユーザビリティとセキュリティを両立する方法とは

これを考慮した上で、次の5つの要件を組み合わせることにより、最新技術は、使いやすく安全なソリューションを提供することができます。

  1. 初期設定と設計による安全性

    セキュリティとユーザビリティは、技術が確立されてすぐに追加されるものではありませんが、製品設計の最初の段階から必要不可欠なものです。さらに、設計からエンドユーザーまで、デザイン、拡張、構造、保守を含むソリューション全体を対象としなければなりません。

    これが結果として、害を及ぼすアクションを抑制しつつすべて計画通りに動き、かつ使い勝手の良い安全なソリューションにつながっていくのです。

  2. 既存のセキュリティ対策

    ユーザーは、日常業務を妨げることなく、最小の努力で済む、柔軟な管理と機能を求めています。同じアクションを完了するには常に複数の手段が存在するため、最適なシナリオとは、劇的な実務機能の遂行を要求することのない既存のセキュリティを踏襲することです。

  3. フレンドリーなインターフェイス

    すべてのインターフェイスは使いやすいことが重要であり、あまり考えずに使用できることを求められます。ユーザーに選択肢がある場合は、これを初期設定か通常使用に設定し、問題なく選択できるようにするべきでしょう。

  4. 実用的なセキュリティ

    セキュリティは現実的かつ実用的であるべきものであり、ユーザーはアプリケーションや状況の中で間違いを犯しやすいということを考慮しておくべきです。実務的なセキュリティは、すべての可能性のあるシナリオを詳細に網羅することにより、現実世界の状況に則して構築されるものであり、必要に応じてユーザーに適切なアドバイスを提供することが重要です。

  5. プロセスの考慮

    職務や状況に適切なソリューションは必要不可欠です。安全性を確保するために複数の製品があるため、義務を果たすための様々な方法が存在しますし、必ずしもすべてのソリューションがすべての状況に適しているわけではありません。しかしこれは問題ではありません。それぞれのアクティビティを行うにあたり使用されるアイテムが安全性を提供する可能性が高いことを確認するようにしましょう。必要であれば、難しいことをせず、ソリューションを重ねましょう。シンプルなセキュリティを維持することは、素晴らしい結果へとつながります。

  6. 最後に

    安全性とユーザビリティは共存しないものではありません。ソリューションの使い勝手が悪ければ、セキュリティの高さは価値を失い、その逆もまた同様です。ソリューションの利害関係者が協力しあい、安全かつ機能的な体験を確保しなければなりません。

    幸いなことに、機械学習とAI技術により、セキュリティ対策を強化しても、シームレスなユーザーエクスペリエンスを妨げることはないでしょう。

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