CBDC よくある質問シリーズ: トランザクションについて

CBDC よくある質問シリーズ: トランザクションについて

中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行にあたって寄せられた数多くの質問のうち、最も多く寄せられた質問と専門家による回答を「CBDCよくある質問シリーズ」としてまとめました。まずはCBDCのトランザクションについての質問をまとめましたので、ご覧ください。

Q1. CBDCの取引手数料は?

現在議論中であり結論はまだ出ていません。これまでローンチされた、あるいは試験的に導入されたCBDCについては、取引手数料は請求していませんが、今後取引手数料を請求することを発表している中央銀行もあります。

この質問は、決済サービス・プロバイダー(PSP)への補償の問題にもつながりますが、この場合、中央銀行がPSPに直接口座から支払いを行い、物理的な現金流通の場合と同様に、政府が実質的にコストを負担することになります。

取引手数料が発生することは大いにあり得ますが、電子マネーやデジタル送金の取引にかかる既存の手数料よりも低くなる可能性が高いと思われます。

ProgressSoft では、中央銀行による CBDC 導入が金融包摂を考慮したものであると判断した場合、手数料を徴収することは逆効果になると助言しています。

Q1. CBDCの取引手数料は?

Q2. CBDCの取引手数料が無料の場合、商業銀行にはどのようなメリットがありますか?

二層構造では、商業銀行が(銀行のKnow Your Customer(KYC)に基づき)ウォレットを作成し、物理的な現金と同様にCBDCを流通させます。顧客にCBDC用のスマートウォレットを提供しCBCDの魅力をアピールすることで口座の維持にもつながります。

国内のCBDC利用者は商業銀行に現金を預ける必要がありますので、これが新たな融資にもつながるものと考えられます。CBDCの利用により、新しい収入源につながる自動電子商取引(eコマース)の強化など、さらなるイノベーションへの道を開くことも可能です。

また、商業銀行は、顧客がCBDCを更に深く知り、利用を促すための新しいアプリを開発することも可能です。電子マネーや現金をCBDCと交換する際に銀行に利益が発生することも大きなメリットです。

Q2. CBDCの取引手数料が無料の場合、商業銀行にはどのようなメリットがありますか?

Q3. 2つの商業銀行のウォレット間取引でクリアリングは必要ですか?

CBDCは即座に送金されるため、2つの商業銀行のウォレット間取引に清算は必要ありません。CBDCの取引はすべてブロックチェーン・ネットワークに記録され、中央銀行に保有される口座に記録されるため、リアルタイムの価値移転となります。しかも、ブロックチェーンに基づくCBDCは、複数のアクティブなノードとコンセンサスポイントを持つため、従来のシステムよりも高速で安全です。

Q3. 2つの商業銀行のウォレット間取引でクリアリングは必要ですか?

Q4. クリアランスが不要な場合、コンセンサス方式はどうなりますか?

コンセンサスメカニズムは、すべてのノードが互いに同期され、どの取引が正規取引となりネットワークに追加されるかを一致することを保証するものです。これは、ネットワークが適切かつ安全に機能するために極めて重要なものです。CBDCは通常ブロックチェーン・ベースなので、ネットワークが適切に機能し、ノードが一致できるように使用されるために、コンセンサス・アルゴリズムが不可欠です。CBDCは許可制のネットワークで、許可されたノードだけがネットワークにアクセスできる仕様ですが、取引の妥当性と最終性を提供するためにコンセンサス方式が導入されています。

Q4. クリアランスが不要な場合、コンセンサス方式はどうなりますか?

Q5. 支払に誤りがあった場合、取引を取り消すことができますか?

CBDC取引はブロックチェーン・ネットワーク上に掲示されるリアルタイムの価値移転であるため、従来の決済システムのように、誤った送金額や受取人を取り消すことはできません。

ただし、中央銀行の承認があれば、口座間のCBDCの移転(あるいは取り消し)に対して一定の処置も可能です。取引手数料なしで相手方に返金を求めるという明白なオプションもこれに加えて問題はないでしょう。

全体のリスクを軽減するために、ProgressSoftのようなCBDCソリューションでは限度額の設定も可能ですので、予め限度額を設定しておけば、誤って支払処理を行っても全額損失してしまう心配はありません。

Q5. 支払に誤りがあった場合、取引を取り消すことができますか?

Q6. オフラインでのCBDC取引はどのようなリスクがありますか?

オフラインでのCBDC取引は、二重支出取引がコピーされて再び使われる可能性があるため、リスクがないとは言えません。しかし、このリスクは、あらかじめ取引額制限や取引計上のタイムアウト時間を設定することにより軽減されます。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する中央銀行のよくある質問に、当社の技術者とコンサルタントが回答する情報満載のシリーズをご紹介します。第1回はCBDCの取引に焦点を当てています。

Q6. オフラインでのCBDC取引はどのようなリスクがありますか?

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