ProgressSoftブログ寄稿者
2022年8月2日
中央銀行の中央銀行デジタル通貨（CBDC）の発行にあたり、多くの質問が寄せられます。そこで、私たちは、会議で最も頻繁に寄せられる質問と専門家による回答を「CBDC よくある質問シリーズ」としてまとめました。
1. ACH や RTGS のような既存の決済システムと比較したときのホールセール CBDC の利点は何ですか？
CBDCの他との大きな違いは、特にブロックチェーンを使用して展開された場合のデータの不変性にあります。CBDCは、金融政策、監督、管理の分野でさらなる利点を提供するための単なる清算・決済機関ではありません。データの不変性とは、ソリューションのホストがすべての有効なトランザクション、さらには無効なトランザクションの記録を持っていることを意味します。
CBDCでは通貨はデジタル化されており、ある銀行から別の銀行へ資金を移動させるのではなく、ブロックチェーンネットワークに記録され、資金の「物流」を必要とせずに転送されます。CBDCは、自動決済機関で発生するNet Clearing Positionに対して、瞬時に送金するので、スピードの面では自動決済機関とは比較になりません。
一方、即時グロス決済は、これまで決済に使われてきたシステムです。CBDC と即時グロス決済は、少なくとも初期段階では、コストと効率の面で国の金融システムを強化するために協 力し合うことができると考えています。
2. 即時グロス決済のようなシステムも含め、中央銀行がダウンした場合はどうなるのですか？
中央銀行が何らかの理由でダウンした場合でも、CBDC のネットワークは分散型台帳技術（DLT）に基づいており、1つまたは複数のノードがオフラインであってもネットワークの操作性を維持することができるため、正常に動作できるようになっています。
3. リテール CBDC とホールセール CBDC を同時に導入することはできますか？
はい、リテール CBDCとホールセールCBDC は同時に実装することが可能です。実装時には、セキュリティ上の理由から同じネットワークを使用するのではなく、ホ ールセールアカウントとリテールアカウントの間に「ブリッジ」を持つ別々のネットワークを持つこ とを推奨しています。
4. リソースの面で、リテールCDBCとホールセール CBDC を同時に導入するのは負担が大きいでしょうか？
2つのCBDC 同時にを導入する場合は、より多くのリソースが必要になりますが、ホールセール CBDCのみの導入ではリテールCBDCに比べて最小限のリソースで済みます。作業の人材不足が心配な場合は、連続して実施することも可能で、その場合一つのチームが両方のケースを担当することもできます。
シリーズからもっと読む
お問い合わせ
ProgressSoftが提供するブロックチェーンベースの中央銀行デジタル通貨ソリューションに興味がおありですか？[email protected]までぜひお問い合わせください
関連サービス
CBDCよくある質問シリーズ：その他
中央銀行デジタル通貨（CBDC）ステークホルダーから現金への交換、税の徴収まで、よくある質問に当社の技術者・コンサルタントチームがお答えします。
CBDC よくある質問シリーズ：プライバシーとセキュリティについて
中央銀行の中央銀行デジタル通貨（CBDC）の導入において、最も重要視すべきはプライバシーとセキュリティについてでしょう。そこで、このテーマについてよくある質問に当社の専門家チームが回答しています。
CBDC よくある質問シリーズ: トランザクションについて
中央銀行デジタル通貨（CBDC）に関する中央銀行のよくある質問に、当社の技術者とコンサルタントが回答する情報満載のシリーズをご紹介します。第1回はCBDCの取引に焦点を当てています。