デジタルバンキングで気を付けたいユーザーエクスペリエンス(UX)ミス

デジタルバンキングで気を付けたいユーザーエクスペリエンス(UX)ミス

バンキングサービスが人々の生活に与える重要性、価値、影響について理解することは非常に重要です。 今日、多くのユーザーがデジタルチャネルを使用して資産を管理する傾向にあり、最適なエクスペリエンスを実現するためには、バンキングプラットフォームを設計する際に、ユーザーのニーズや好みを十分に認識する必要があります。

ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、銀行のウェブサイトやモバイルアプリを開いてから取引を完了するまでに顧客が経験するさまざまな操作全体を指しています。UXにおいては、ナビゲーションのしやすさ、アクセシビリティ、セキュリティ、モバイルの最適化、カスタマーサポートなどが考慮されなければなりません。

UXを重要視したプラットフォームが提供できれば、デジタルバンキングのタッチポイントにおいて、銀行が顧客に提供できる取引体験は、シームレスで楽しいものとなるでしょう。UXは顧客のバンキング操作ですので、操作の快適度は顧客満足度に直接影響します。顧客が取引上の各ステップで満足度を感じれば、結果としてコンバージョン率も向上し、最終的に収益が向上する、と考えればUXの重要性がお分かりいただけるでしょう。

「今日のデジタル時代では、バンキングニーズに対する顧客の選択肢は多様であるからこそ、強力なUXは銀行にとって重要な差別化要因となり得ます。」

とはいえ、的外れなUXデザインのせいで、ユーザーが使いにくさを感じたり、あるいはユーザーフレンドリーからかけ離れた製品となってしまうことはよくあることです。ここでは、デジタルバンキングでよくあるUXの失敗例と、それを回避する方法をご紹介します。

  1. ナビゲーションとユーザーフローが悪い
    必要な情報や機能を見つけにくいとユーザーがストレスを感じ、ユーザーエクスペリエンスの低下につながる可能性があるため、選択肢の数は多すぎないようにすることを心がけましょう。多すぎるとユーザーは圧倒されてしまいます。ナビゲーションはシンプルで直感的なものにしましょう。
  2. アクセシビリティを無視する
    幅広いユーザーへの考慮や配慮を忘れてしまうと、ユーザーエクスペリエンスの低評価に繋がります。音声読み上げ(スクリーンリーダー)や音声アシストなどの支援技術をアプリに搭載することを徹底しましょう。
  3. セキュリティ対策が不十分である
    ユーザーはバンキングサービスにおいて、自分の財務情報が完璧に保護されて当然であると考えています。当然、銀行ではすでに機密データを保護するために強固なセキュリティ対策を実施していると思われますが、バンキングサービスにおいてもユーザーがその安心感を感じ、銀行を引き続き信頼してもらえるように、ユーザーに改めて安全性やセキュリティ対策について提示してください
  4. モバイル最適化されていない
    多くのユーザーは、外出先から自分の銀行情報にアクセスしますので、モバイル機器の小さくて多機能な画面用に最適化されたプラットフォームでないと、ユーザーエクスペリエンスは低下します。
  5. テストが十分に行われていない
    UX戦略について重要な決定権を持つのは銀行の経営陣ですが、彼らはしばしばエンドユーザーの視点を欠いた決定をします。これを踏まえて、エンドユーザーによるテストは必須です。エンドユーザーによるテストを行わずにデジタルバンキングアプリを公開してしまうと、公開後に大きなユーザビリティの問題が発見されてしまうということにもなりかねません。

まとめると、銀行業界においては、UXを重要視することは必須です。銀行業界は競争が激しく、顧客は多くの選択肢からサービスを選びますので、ポジティブなユーザー体験の経験は銀行にとって重要な差別化の要因であり、顧客のロイヤリティとリテンションを高めることにつながるのです。

さらに、ポジティブなユーザー体験を提供していること、セキュリティ及びプライバシー保護対策を重要視していることは、銀行の信頼度を向上させる大きな要素となる可能性が高く、つまりはポジティブなUXが銀行のブランドへの信頼と信用の向上につながることができるのです。

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