長編インタビュー:開発者がホンネで語る、金融紛争解決ソリューションの可能性

長編インタビュー:開発者がホンネで語る、金融紛争解決ソリューションの可能性

ProgressSoftのプロジェクトマネージャーを務めるハルドゥーン・シャンターに、新しく開発された金融紛争解決ソリューションについてインタビュー。ソリューション誕生のきっかけ、現在の多岐にわたる業界への影響とは?

興味深いインタビューの結果をご紹介します。

  1. 紛争解決ソリューション開発のきっかけは?

各国の中央銀行の決済システムを通じた国際間取引では、様々な原因によって紛争が発生することがあります。たとえば、不適切な認証や執行、受け払いの契約上の問題、不正な処理、技術上または統合性の問題、人為的ミスなどが考えられますす

紛争は個人顧客や金融機関によってクレームが提起されたのち、現在は電子メールや電話を通じて「人力」によって処理されています。このようなやり方は双方にコストと時間がかかり、交渉過程の事後的な検証も難しいのが現状です。個々の係争案件の解決が遅れるのはもちろん、支払いシステムの信頼性、ひいては金融機関への社会的信頼性が損なわれ、顧客満足度の劇的な低下につながります。

そこで、ProgressSoftがご提案するのが、金融紛争を一元的に管理することが可能な紛争解決ソリューションです。このソリューションは、1つのパッケージで紛争の開始から終了までを管理でき、金融機関との通信内容などの紛争に関連する証拠をすべて共有して、これまで人力頼りだった紛争解決を自動化された正確かつデジタルなプロセスに変換します

  1. ソリューションのしくみについて教えてください。

この紛争解決ソリューションの特徴はその柔軟性にあります。金融機関が必要とする証拠と取引の詳細を 「紛争作成プロセス」 と名づけられたプロセスにアップロードすることで、(各国の中央銀行の決済システムを通じて処理された)金融取引に関する紛争情報を登録することができます。

このソリューションは各国の決済システムとシームレスに統合されており、係争中の取引の詳細と、作成プロセスにアップロードされたすべての事実情報を自動的に取得します。そして、それらを被クレーム側の金融機関に送信することで、所定の期間内に係争案件を受理または却下することを要求できます。承認または却下されたプロセスは、事前に定義されたターンアラウンドタイム(TAT)で 期間を指定して自動化することもできます。

もし、被クレーム側の金融機関がクレーム側の主張を却下した場合、最終的な意思決定および評決を監督してもらうべく、当該係争を中央銀行に訴えることができます。最終的にこのソリューションは、係争の判決に必要な金融エントリを生成し、リアルタイムグロス決済(RTGS) を含む各国の中央銀行の決済システムとの直接的な連絡によって裁決を行います。

中央銀行は、決済システムごとに紛争を解決するためのルールを設定することができます。また、紛争に関する処理の遅延に対して、罰則と罰金を定義することができます。また、SLA(Service Level Agreement)を明確に定義し、紛争を提起して正式な仲裁を得るための強固なメカニズムとしてもその可能性を発揮します。

  1. このソリューションによって業界はどのように変化しますか?

本ソリューションがデジタル改革の分野でイニシアティブをとるためには、顧客体験と顧客満足度の向上が必要です。紛争解決システムを利用することで顧客の目標を達成することができれば、顧客満足度は高まります。個人顧客からの問い合わせや苦情を減少させるだけでなく、他の金融機関が提供する決済サービスとの整合性を大幅に向上させることが私たちの目標です。これを実現できれば、より多くの金融機関のお客様に、ProgressSoftの高品質なソリューションを通じて市場競争を勝ち抜くためのさまざまなサポートを提供できるはずです。

紛争解決ソリューションは、紛争解決のプロセスを合理化、標準化、迅速化、そして簡素化するための自動かつ包括的な枠組みです。個人顧客、金融機関、中央銀行間の取引の信頼を大幅に向上させるだけでなく、統計データ、ダッシュボード、自動通知を通じて、紛争の監視および管理を行うプロセスも大幅に改善してくれます。

決済システムにおいては、キャッシュフロー状況がかつてないほど改善されるでしょう。金融機関内の工数とコストの効率化も実現されます。そしてなにより重要なのは、顧客満足度の向上です。紛争解決ソリューションの活躍が次々と報じられる…そんな未来も遠くないはずです。

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