CBDC最前線:CBDCは調査ステージから実証ステージに移行

CBDC最前線:CBDCは調査ステージから実証ステージに移行

クレジットカード、モバイル決済、仮想通貨、そして、中央銀行デジタル通貨(CBDC)。現在、世界の金融業界には技術革新の波が押し寄せています。

新世代の決済サービスは、中央銀行と市中銀行による旧来の決済システムに風穴をあける存在となっています。国際通貨基金(IMF)のクリスティーン・ラガルド専務理事は、シンガポール・フィンテック・フェスティバル2018におけるスピーチで、CBDCの三要件として「変化に対してオープンであること」「変化を受け入れること」「変化を生み出すこと」の3つを挙げ、各国の中央銀行に対してCBDCの重要性を訴えました。

2018年、国際決済銀行(BIS)は、世界人口の80%近くを占める国・地域の63の中央銀行に対して調査を実施しました。調査結果によると、回答した中央銀行の70%がすでにCBDCの開発に着手しているか、間もなく着手する予定であることが明らかになりました。そのうち半数近くが、概念研究から実証ステージに移行しており、実証ステージの中央銀行は2017年の調査に比べて15ポイント増加しています。

2020年にBISが公表した66の中央銀行を対象とした調査報告書によると、中央銀行の80%(2018年は70%)がCBDCの開発に着手しており、そのうち半数がB2BとB2Cの両方での採用を検討しています。また、中央銀行の40%が概念研究から実証ステージに移行しており、そのうち10%がパイロット版のステージに移行していました。

CBDCの現状を徹底的に調査するために、各国の中央銀行に対してキックオフ時期に関する問い合わせをしました。その結果、各国の中央銀行の多くは、CBDCのおよぼす影響についてより理解を深める調査段階に位置していることがわかりました。決済システムの安全性と効率性を向上させ、金融包摂と金融統合を推進する能力は、やはり中央銀行に分があります。しかし、各国で提案されている新モデルの範囲は、依然として個別的かつ不明瞭なままです。

ProgressSoftのCBDCシステムアーキテクトであるOthman Darwishは、「各国の中央銀行はCBDCの実施範囲を綿密に探っています。CBDCがB2B決済システムに導入された場合、B2CおよびC2Cの汎用的な決済システムにどれほどの影響を与えるか見極めようとしているのです」と語ります。さらに、「CBDCは、もはや中央銀行だけの問題ではありません。金融の世界に破壊的イノベーションを生み出すためには、ソリューションプロバイダやデジタル通貨の専門家など、中央銀行にケースバイケースで見識を提供できるような専門家たちに協力を求めるべきです」と付け加えました。

ProgressSoftが提供するブロックチェーンベースのCBDCソリューション『PS-CBDC』は、各国の中央銀行の政策と実装戦略に個別的に対応できるよう設計されています。モジュール性、自動拡張性、オープンインテグレータ、およびスマートコントラクトを兼ね備えた、高度なソリューションです。CBCDの本質は何でしょう? 「安全」かつ「公的」なデジタル通貨であるということです。CBCDは、高度なブロックチェーン技術をベースとし、自国の法定通貨と1対1の為替レートが維持されます。『PS-CBDC』は、このCBDCの「発行」「評価」「コンセンサス」「決済」の4つを支援するモジュールから構成されています。ピアツーピアの国際間の決済も想定し、各国の中央銀行間で即時の価値移転が行われます。さらに、決済の安全性、金融包摂および金融統合、金融市場のモニタリングサービスを提供します。これらは、マネーロンダリング対策やテロ資金対策を強化するのにも役立ちます。さらに、銀行間決済やC2C決済、個人認証管理まで、CBDCの幅広いユースケースをカバーすることが可能となります。

ProgressSoftチームは、PS-CBDCに対してもてるリソースと熱意のすべてを捧げています。同時に、世界的に有名な専門家やコンサルタントから助言を求めたり、中央銀行と包括的なケーススタディを実施したりすることで、ブロックチェーンベースのソリューションのコンサルティングサービスを提供することが可能になりました。現在、ProgressSoftは、CBDCの登場による破壊的なイノベーションとその影響に関する深い知見をたくわえ、各国の中央銀行に対してCBDCの発行を全面的にサポートする準備ができています。

関連サービス

デジタル時代における中央銀行の役割

デジタル時代における中央銀行の役割

サイバーセキュリティの脅威に立ち向かい、デジタル通貨を発行し、変革を促す中で、デジタル時代の中央銀行の役割はどのように進化しているのでしょうか。ProgressSoftのビジネスコンサルタントであり、中央銀行がどのようにテクノロジーを活用して金融情勢の未来を作っていくのかを研究している、Mahmoud Kurdiの見解を聞いてみましょう。

相互運用可能なクロスボーダー決済へ、期待の道のり

相互運用可能なクロスボーダー決済へ、期待の道のり

ProgressSoftのビジネスコンサルタントであるAdrien Rigaudieが、真にグローバルで相互接続された決済エコシステムを設計するためのクロスボーダー決済における課題、期待される取り組み、CBDCモデルについて説明します。Central Bank Payments Newsに掲載された記事の全文をご紹介します。