自社運用 vs. クラウド実装、企業はどちらを選ぶべき?

これまでインフラデザインのワークショップでDRサイトについて議論するたびに、クライアントの皆さんにはこうお伝えしてきました。「重要なのは災害が発生するか否かではなく、いつ発生するかです」と。

記憶にある限り、金融機関はDRサイトを必須の救命機能というよりは、コンプライアンス上必要なものとして見なしてきました。しかしそれも、コロナウイルスのパンデミックが地球全体を揺さぶることになった今日までの話です。

コロナウイルスのパンデミックは、自社運用ソリューションのアーキテクチャを設計する際にソリューションアーキテクトすら予見・考慮することのできない災害の一例と言えるでしょう。想像してみてください。自行のサーバールームではサーバーがオーバーヒートしているのに、行員は誰ひとりそこにたどり着けない。そして最重要である空調機能で発生中の問題はメンテナンススタッフでもお手上げ。その結果は?銀行全体におよぶ大惨事になりかねません。

私たちは自社、そしてクライアントのビジネスにとっての最悪のシナリオを想定してきました。ProgressSoftのクラウド移行が「コスト目的」ではなく「戦略目的」だった背景にはそういった事情があったのです。

世界情勢が不透明である今日も、我が社の大切なスタッフは休まずフルタイムで働き、クライアントが期待してくださっている質の高いサービスをお届けするとともに、新たな決済ソリューションを日々、記録的な速さでリモート環境から実装していっています。これはすべて、遠隔でアクセス可能でしっかりとした基盤のあるクラウド環境へと2016年に移行することができたおかげです。

次はあなたが再考する番

さて、今度はパンデミックがようやく収束したところを想像してください。あなたは収益性の高い新たなソリューションの構築に着手するところです。これが実現すれば、数千の顧客が遠隔でいつでもどこからでも取引を行うことが可能になり、銀行にも莫大な収益をもたらします。このソリューションは24時間年中無休で稼働します。

しかし、競合のことを考えれば、ソリューションの市場投入を急がねばなりません。そして、ソリューションは反応が早く、費用対効果が高く、時間効率も良く、信頼性が高く、拡張可能でセキュリティも盤石でなければならない。そこで、まずはソフトウェアとインフラについて、提案依頼をすることから始めましょう…と、ちょっと待ってください。パンデミックの経験を覚えていますか?絶対に忘れてはならない経験です。

従来からの調達プロセスに無駄な時間を割いたり、ウォーターフォール型の実装プロジェクトを選んだりしないよう留意が必要です。でなければ、フィンテックや日の浅いスタートアップ企業らにとって絶好の市場参入機会を与えることになるでしょう。なぜなら、あなたが必要条件を満たすのに3ヶ月、既製品やハードウェアの交渉に2ヶ月、さらに必要なインフラの構築に6ヶ月を費やしている間に、彼らは新たなオープン銀行規制を活用し、インフラをたったの数時間で構築しているからです。クラウドのもたらす新たな時代へようこそ!

ソフトウェア業者からすべての必要機能を満たす実用最小限の製品(MVP)を入手すれば、2-3ヶ月すらかけずあなたの目指すソリューションを稼働できるはずです。金属製のサーバーやラック、OSやライセンスに何百万ドルものコストを費やす必要がありますか?

今日の負荷に対応可能な小規模のインフラから始めて徐々に拡大していくことができるのに、5年後に予測される負荷のサイズに対応するための大規模インフラを今、丸々構築する必要があるのでしょうか?

未来はクラウドの手の中に

今日、自社運用インフラは時代遅れの手法と見られています。はじめからクラウドネイティブなソリューションを構築することで、戦略、事業、運営、コンプライアンス、セキュリティ、スケーラビリティ、そして安定供給のすべての面からみて必要な条件を満たすことができるでしょう。

クラウドネイティブなソリューションを設計し、銀行のレガシー・システムをクラウドへと移行する支援をしてくれる、評価の高いソリューション事業者と提携を結ぶことが肝要です。あなたが想定しているか否かに拘らず、未来はクラウドの手の中にあるのです。

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